滋賀と三重を大きく隔てている鈴鹿山脈の、南北の尾根づたいがすなわちほぼ県境であり、急峻な東側と比べ、西側はなだらかで、しかし奥深い山脈のふところがある。
そのふところには未踏の道があり、予てから焦がれる思いで地図を眺めていた。
未舗装路を走る自転車を手に入れた今、満を持してその道を走ることにした。
百済寺の集落の南側を、山脈に向けて伸びる県道229号線にとりついたのは、午後を少しまわった頃。
急勾配のS字を幾つか越えて見えてきたのが角井峠。
峠でジレのジッパーを上げくだり始めると、薄暗い木立の向こうに山小屋か何かの廃屋が散見されるようになり、不思議な雰囲気の一帯に差し掛かる。
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