20131002
夕陽
この一,二週の間に少しは手応えを感じられるほど僕の中で形作られ、絵まで与えられていた書くつもりだったコトをすっかり失念してしまった。
それが形作られたと言い得るものだっただけに、そこそこの喪失感を伴っているのが厄介で、どう扱ったものかと思案したところ、内祝でもらった小瓶の日本酒で強かに酔っ払った勢いにまかせて、その残滓を掬い上げ、何やらよく判らない想念や躊躇いとを捏ねくりまわして作り上げたのが、すなわちこの文章である。
今はもう失われてしまって久しい僕が憧憬を抱かざるを得ない人や時代、それらは目蓋を閉じてもそこに陽のあることが感じられるように、すぐ傍にあったことを夕陽が思い至らせてくれる。
しかし、それと同時に不可逆の壁が徐々に僕らを押し出して、それらから遠ざかっていっていることをも併せて痛感させる。現に2013年の夏は去り、秋がすっかり我が物顔でそこに居座っているではないか。
一日の終わりを迎えての、積み残し、後悔、その慰めのために夕陽はこんなに美しいのだと思う。
20130810
退役
20130803
20130725
坂狂い
坂は上れば上るほど早くなる。
でも力がつくと、抜き所が分かってくる。
すると道路脇に倒れこむほど(実際倒れたことはないけど)の疲労を避けるような乗り方になり、伸び悩む。
だから数をこなす。
ひたすら上る、上る、上る。
そうすれば地力がつくだろうと信じて上る。
どれだけ早くなったか、試したいな。
https://jtbsports.jp/events/events-detail.php?id=2684
坂じゃないけど、これとかで。
20130704
更新
するとたいしたもので、速くなる。
タイムが伸びる。
これまで真剣に取り組んでいなかったわけではないけれど、1ヵ月間で自転車に乗らなかった日の方が少なかったり、毎日坂を上ったり、なんてことをしたことはなかった。
「そんなタイムで上れるのかよ。」
途方もない記録だと思っていたタイムに、もう手が届きそうだったりする。
すると、単純にもっと速くなりたい、もっと上ろう、と好循環ができあがる。
すると、単純にもっと速くなりたい、もっと上ろう、と好循環ができあがる。
そして必ず思い至るのが、後この好循環を何年続けることができるのか。

「後十年はイケル」
この件が話題に上る度、僕はそう嘯くけれど、これは最高にかっこいい有言実行をやるための自己暗示的な発言なのだ。
ということで、新城が集団に吸収され、カヴェンディッシュが24勝目をあげたツール第5ステージを見終わり興奮冷めやらぬ僕は、明朝の天気を確認しつつ、朝練の準備をして寝ます。
5時起き5時起き
20130622
失せ物
思いに耽るために必要で大事なソレを僕は
2度と行くことのない旅先の宿へ置き忘れてきたか、
吹き荒ぶ日常の嵐で砂塵のように消え失せたか。
はたまた飲み過ぎた晩の嘔吐とともに、下水へ流されていったのかもしれない。
なくしたモノにいつまでもこだわるしみったれたところを忘れるために、
夜な夜な床を抜け出して飲みに行く理由にするのだ。
20130401
その手は何を掴んできたか
職業柄、和暦に馴染み深く、日に何度も日付を記すのだけれど、仕事よりプライベートで先に新年度の日付を記すのは初めてだと思う。
そんな今日、上の娘はとうとう保育園の年長になる。
産まれてすぐに障碍があることがわかったり(股関節脱臼:その後の治療で完治しています)、僕が単身赴任したりで、今となっては下の娘の育て難さの前に吹き消されてしまった感があるが、当時は悩まされたものだった。
当時の写真を繰っていて出てきたのが→の写真。
遡ること9年。これは、実家の裏山で撮った孟宗竹と僕の手。
孟宗竹のあまりの太さに感嘆し、比べるために一緒に撮った手。
まだ子どももない、妻もない、仕事さえなかった頃の手。
節くれ立ち、芋虫のような短い指先に、扁平な爪をちょこんと乗せた不細工な手だけれど、妻を労わり、娘をあやし、抱き上げ、家族を守るためには何の不足もない。
つまり、そういうことだ。
そんな今日、上の娘はとうとう保育園の年長になる。
産まれてすぐに障碍があることがわかったり(股関節脱臼:その後の治療で完治しています)、僕が単身赴任したりで、今となっては下の娘の育て難さの前に吹き消されてしまった感があるが、当時は悩まされたものだった。
当時の写真を繰っていて出てきたのが→の写真。
遡ること9年。これは、実家の裏山で撮った孟宗竹と僕の手。
孟宗竹のあまりの太さに感嘆し、比べるために一緒に撮った手。
まだ子どももない、妻もない、仕事さえなかった頃の手。
節くれ立ち、芋虫のような短い指先に、扁平な爪をちょこんと乗せた不細工な手だけれど、妻を労わり、娘をあやし、抱き上げ、家族を守るためには何の不足もない。
つまり、そういうことだ。
20130321
クリーンアップ
昨日は陽光を恨めしく窓の内側から眺める必要がなかっただけよいものの、自転車に乗れないことに変わりはなく、花粉症で腫れぼったい目と鼻をグズグズさせ憮然としていた。
そんなわけで、せめてバイクだけでもスッキリ晴れやかにしてやろうとORBEAonixの清掃に取り掛かった。
チェーンにチェーンリング、クランクにBB、ペダル、スプロケットも一枚づつ、RDのテンションプーリーとブッシュプーリー、それぞれ取り外し、愛でるように洗浄。
必要な箇所はグリスアップし、再度組み立てると見違えるように綺麗になったバイク。
それを見て、更に乗れないストレスが高まるとか。。
早く収まれ杉・檜。
20130304
スリット
![]() |
本当は嫌いな隙間(←一部の例外を除く) |
通勤用に買った筈のMBK(アルミフレーム)にメインバイクの座を奪われそうなORBEA(Onyx:カーボンフレーム)。
実際にそれぞれ総重量を計量したことはないけれど、塚のTTタイムからしてもMBKの方が若干軽い様子。
「フルカーボンなのにアルミより重いとかどういうことだよ」とか、「やっぱり中華カーボンは、、」とか言っても始まらないので、ORBEAをメインバイクとして今後も乗り続けていくために、フォークを軽いものに変えることにした。もとい、前から軽いフォークに変えたくて悶々としていた。
ORBEAの純正フォークはアルミコラムということもあり、600g近い重量なので、3T等フルカーボンのフォークが300g代なことを考えると、大きく減量できるパーツである一方、軽量なものであれば財布まで大きく減量してしまうことと、妻にその本当の価格を言えない≒嘘をつかないといけないということ、これらの心理的な負担から、その換装に踏み切れないでいた。
そのような折、妻の不要な物&僕の不要な自転車パーツをヤフーオークションで売って整理していたところ、、、ついでに見ちゃいますよね、どんなパーツ売っているかな?と。
より軽いっていうのと空力性能ってのを今のORBEAのフォークから改善できちゃうパーツがこれ。
重量は400g代と最軽量クラスとは言えないものの、
「空気抵抗を軽減するスリットの開いた「オーバルコンセプト」社の700C用エアロカーボンフォークです。
フォークブレードにスリットを作ることにより、空気抵抗を軽減できる構造を備えています。時速50kmで1時間の走行をすれば1分のアドバンテージを得られる、というコンセプトです。 」
なんて言われると、その気になってしまうやん?
(50km/hなんて下りでしか出るスピードじゃないけど。。)
うん、ポチッたよ。酔いにまかせて。
んで怒られたよ、「なんか届いてたけどアレ何?+、幾らしたん?+」
「(サラッと)あ、うん、3,000円位;(大嘘です、ゼロが一つ足りません)」
さて、僕にこんな思いまでさせて買わせた(?)んだから、ちゃんと仕事してくれよなっ!?
スリット、可愛いよスリット。おまけにセクシーだよ。
20130203
20130105
暫定パンク王
![]() |
穴あきチューブ×3 |
「8時桂小橋」念仏のように唱えながら就寝した金曜の晩。
遡ること5時間、妻子が帰省しているのをいいことに、ハウルを見ながら室内ローラーをしていた。今思えば、見逃されてはならない前兆がそこにあった。
21時前に、新聞紙を敷いて三本ローラーを展開。ウェアに着替えタオルを準備し、ジャージのポケットにテレビのリモコンを入れ、準備万端バイクを載せてみるとタイヤがフラットになっている。
「新年早々パンクかよー」と軽い気持ちでチャチャッとチューブを取り出し、「ふんふん」と穴の位置を特定。チューブのストックは十分あるので新しいチューブに交換。原因は?と、ざっとみたところタイヤには傷が見当たらない。
「ま、いっか」これがよくなかった。
翌朝7時過ぎに出発。
「8時桂小橋、8時桂小橋」
感覚のなくなり始めた指先も気にすることなく軽快に逢坂の関を越え、N700系をまたいだところで、なんとなく3日のタクヤさんとの会話を思い出す。
「僕今日ポンプ持ってきてないですよねー」
「これだけ居たら誰か持ってるやろーって、皆そう思って誰も持ってなかったり」
「ありがちですね」
なんて遣り取り。
うん?今日も3日と同じバイク。。。つまり、ポンプを持ってきていない。
「まさかw」なんて独り言ち、軽い坂を迎えクランクを踏み込むと力が少し逃げる。
恐る恐る後輪に目を遣ると、果たしてそこには明らかに圧が足りないタイヤ。
迷った。
このまま桂小橋まで行って誰かが持っているかもしれないポンプを当てにするか、
それとも断念して引き返すか、引き返すにしても徒歩で?タクシー?
迷いながら西進するも、どんどん空気は逃げていき自走できなくなったところで7時40分。
完全に断念せざるを得ない状況となり、後は帰宅する手段を悩む。
徒歩、タクシー、徒歩、タクシー。
パパさんにパンクして行けない旨連絡しつつ、
徒歩、タクシー、徒歩、タクシー。
取り敢えず自宅に向かってバイクを押し押し、
徒歩、タクシー、徒歩、タクシー。
20台程逡巡しながら見送って、結局タクシー、1kmほど歩いて結局タクシー。
げんなりしながら帰宅してチューブを取り出すと、案の定、昨夜替えたチューブと同じ場所に穴が開いている。
今度は念入りにタイヤを調べてみるが目視では異常はない。うーん?と首を捻りながら撫でてみると裏側に微かな引っ掛かりがある。
タイヤを引っ張りながら目を凝らすと、ごく小さな小石かガラス片の様なものがめり込んでいる。
「くそっ」と親の仇のように憎しみを込めてほじくり出し、ゴミ箱へ捨てた。
まだまだチューブのストックは余裕があるのでここでも新しいチューブに交換。
「ふんふんふん」とチューブとタイヤを嵌め込み圧を上げると、、、
また嫌な音がするじゃない、、、orz
新品なのに(ディオワールドで500円で投げ売られてたチューブだけど)。
泣きべそかきながらチューブを取り出すと、バルブの根本に見えない穴。
というわけで、私の記憶が確かなら今日は1月5日。
2回の実走で既にチューブを3本ダメにした僕は、2013年暫定パンク王に名乗りを上げます。
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