20200212

JCX19-20シーズン#10スチールの森日吉

来週土日は実家に帰ろうと思う。
妻からそう切り出された時間は幸いにエントリーの締め切り前だった。

関西シクロクロスシリーズ最終戦の桂川は例年通りパスし、事前の盛り上がりどおりチームの皆が楽しそうにしている様子を指を咥えて見ていた僕は嬉々としてエントリーした。

(寒波が来ている。)

(週末は雪が降るらしい。)

それならそうか、と会場までのアクセスにレンタカーを選んだ際にはスタッドレスタイヤ付きの車両を選択した。

果たして降雪予報で迎えた週末土曜日。最後の最後まで前泊するか二日間とも日帰りにするか悩んだ結果、宿の予約が取れなかったのもありレンタカーの出発時間を前倒しし、両日日帰りにすることにして前日試走のために出発した。

京都縦貫道を走行中に、チームメイトから降雨と鹿のフン等のコース状況の提供を受けながら到着した日吉ダムは、小雨が降るものの冷え込みはそれほど強くない。バイクに跨ったらいきなりパンクしているなどのトラブルがあったが、入念にキャンバーのラインを確認するため時間ぎりぎりまで走行して帰路に着いた。

日吉のコースは、草地ながら隠れた石や岩(鹿のフンもw)が多くメカトラブルが生じ易い、実際に前回出走した時は1周目でパンク、残り周回すべてパンクのまま走行した苦い思い出のコース。そんなことから未だクリンチャータイヤで走り続けている僕は3.0barより空気圧を下げられない。帰り道、亀岡の市街地で渋滞に巻き込まれながらそんなことを考えていた。明日は復路も京都縦貫道を使うべきだな、とも。


翌朝、チームメイトから日吉の降雪や積雪情報の提供と併せたDNSの判断に出走をためらいつつも、まぁ何とかなるだろうと到着してみるとこんな感じ。


先着していたチームメイトとの挨拶もそこそこに、雪原の試走の準備を始める。
レース時に濡れたシューズを履くのを厭って、長靴で軽めに2周試走、土曜日入念にラインを確かめ乗って行く積りだったキャンバー区間は乗車に拘らないことにした。

コース路面の悪状況は兎も角として、時折吹雪いたり、晴れ間が出たりと安定しない天候ながら、思ったほど冷え込みは強くはない。とは言え身体を冷やさないために、ボディナンバーからスタート位置が最後尾であることが分かっていたので招集時間ギリギリまで車中で待機。

案の定、最後尾からの出走になったことも相俟って、コースの状況、そして残留条件と色々考えを巡らせるくらいに招集からスタートまでの時間が長い。身体を小刻みに震わせながらスタートの号砲を待つ。

今日のスタートの合図はホイッスルらしい。

「3周回らしいよ※」という声が聞こえてくる。
※シクロクロスのレースは始まるまで(一応)何周回するか決まってないのです。

スタートラインに居並ぶ選手のボディーナンバーと名前がコールされる。
ギアがローに入っていることを目視し、シューズのソールに圧着した雪を蹴落とす。

「30秒前」

サイコンのスタートボタンを押す。

ホイッスルが鳴り響き、一斉に集団が動く。

カテゴリーC2のスタート(僕のとは別のレースです)

この位置取りでレースの出来が変わる。皆真っ先に最初のコーナーを目指し、その日一番のスプリントをかける。どこが空いているか。
後ろからスタートする者はすかさずそこを狙う。
イン側が空いている。
積雪のあるラインでも躊躇わず突っ込む。
皆雪は避けるようだ。

インコーナーから抜く後ろめたさを詫びながら、メインストリーム(積雪のないライン)に合流するタイミングを見計らう。




事前に聞かれた3周回のゴールラインを割ってもチェッカーフラグは振られない。そもそも最終周回の合図を聞いていなかったな、、いや、待てよ本当にこのゴールラインを通過するのは3回目なのか?

心拍やランタイム、何もかも確認する余力がないまま次の周回に入る。
このキャンバーは何回目のキャンバーだったか?自問する間に後輪がグリップを失い体勢を大きく崩す、見知らぬ方(そもそも路面状況の把握に忙しく視界には入っていない)の応援に応える。

抜きつ抜かれつでいつの間にか前後の選手は疎らとなっているにもかかわらず、すぐ後ろで重い芝を割いて走るタイヤの音と息遣いが聞こえる。

ゴール前の坂でスプリントで仕掛けてくる、そのタイミングを狙っているのが分かった。分かっていた。

最終コーナーの減速をできる限り抑えてシフトアップを始める。
レース中感じていたとおり反応が悪い。

今日、何度も目にしたとおりダウンチューブの向こうでインナーケーブルがたわんでいる。

泥を噛んだままでギアが上がらない。二呼吸は繰り返した後にリアディレイラ―がゆっくりシフトアップする。

後ろの息遣いが大きくなる。ギアがあがってももう回転を上げられない。

逃げ切るにはゴールラインが遠すぎて、またもや※ゴール手前で交わされてゴールイン。
※お零れで昇格した18-19信太山ではゴール前で交わされ3位でした。

いただきものです。
というわけで、なんとか最後尾から半分位まで順位を上げて22/53位。

残留圏内のポイントを獲得して自身シーズン最終戦の信楽に挑むこととなったわけでした!

20200201

ある二月の朝

今日は妻が職場の同期と遊びに行くというので、子ども三人をどこかへ連れて行ってあげようと思っていたところだったが、昨夜のうちに「昼食はこれね、あれとこれを買っておいてね、あとあそこに連れて行ってあげて。」と種々の用事を仰せつかってしまったので、あえなく断念する。
そんな今朝はいつもと同じ、布団から抜け出せず朝練はできぬまま。その大分軽くなってしまった後ろめたさや後悔も、朝の家事を済ませる頃にはどうでもよくなっている。



土曜日は朝食の片付けも終わらぬうちから、長女は発表会用の曲と卒業式の伴奏曲とでピアノの練習に余念がない。次女ももう少し見習ってもらいたいものだが、末っ子を相手にひとりカルタに付き合ってあげてくれているので有り難い。


枕カバーを剥がしに行った寝室の窓から見える比良山系が冠雪している。
昨夜は風も強く今朝は冷え込んだしなぁ、などと思いながら2度目の洗濯機をまわす。
この冠雪が今シーズン何度目だったろうかなどとは数えるまでもなく、琵琶湖の湖水が循環しないことで生じる春以降の異常事態や、それまでに起こるであろうそれよりもっと酷い新型肺炎を巡る出来事。最後にはそれらに割り込むように想起してしまった週明けの仕事の段取りに気をとられ、詰まらせた便器を見ていた。

いちねんの終わりに

道の先に朝陽のあたる様子、今年の私の境遇を暗示するようであったと、今思い返します。 この山を乗り越えれば、と汗ばむ初夏を今年も駆けずり回った。 片や村には祭が戻りました。 皆の新年に幸多からんことを、切に願わずにはいられません。 青信号は「進んでもよい」? 否、進め、いざ!