三連休中日の予報は雨。
しかし二日酔いの残る、開ききらない眼がとらえたのは、曇天ながらも雨粒の落ちてこない空。
手早く荷物をまとめ、PanasonicのクロモリCXにまたがる。
以前から見当をつけていた仰木越えをやってみようと、湖西の裏道をゆっくり北上すると、
ぐるっとびわ湖サイクルラインの看板に気付いたので、今日は急ぐ道行きでもないし、とこれを辿ることにする。
以前から旧道、林道の類は見る度、知る度、事情が許す限りは積極的に走行してきたけれど、CXを手に入れた今の僕は、その事情がかなり緩和されたわけだ。
それでもちょっと躊躇われるのは、濃霧と天候。
ただでさえ路面は濡れて落ち葉が積り、苔すら生えている。
これらが少し気にかかるものの、転回して戻ろうという気にはならない。
ましてやロードで完走したことのある道なので、なおさらなのだ。
鬱蒼とした林や、濃霧に覆われた区間を抜け、尾根に近いあたりを林道に沿って北上する。
お約束のコーヒー休憩。
眼下は一面濃霧のため真っ白。
登り下りを繰り返すなかで濃霧帯に入ると、濃い霧がしっとりと、まとわりついてくる。
ロードのスリックタイヤだったら怖かったろうな、と思う下りも安心して下れる。
時折ブレーキ鳴きがするけれど、ちょうど熊鈴の代わりになっていいかと思う。
イマイチ精度の悪いGPSと、電波状況のよくないスマホでは仰木峠を特定できず、一人だし行ってしまえ、と適当に当たりをつけて獣道に分け入ると、倒木と膝丈まである雑草とで、さすがのCXでも走行できない。
ただこれは切り通しであろうから、人の通り道であって、旧道に違いない、と確信して歩みを進める。
滋賀県側と違い、京都府側は手入れがされておらず、倒木、雑草が行く手を阻む。
まだか、まだかと、茂みの向こう、木立の向こうに人工物がないか期待する。
やがて倒壊寸前の山小屋が目に入り、バイクにも跨がれる道の脇に出た。
これは一人で来て正解だったな、と帰宅後に経路を振り返ってみると、僕が越えたのは、仰木越えではなく、
小出石越えだったというオチ。
因みに、
山では一度も転倒しなかったのに、鴨川の河川敷で派手に転倒し、両手をひどく擦り剥いたのは、また別の話。