20221231

いちねんの終わりに

道の先に朝陽のあたる様子、今年の私の境遇を暗示するようであったと、今思い返します。

この山を乗り越えれば、と汗ばむ初夏を今年も駆けずり回った。

片や村には祭が戻りました。

皆の新年に幸多からんことを、切に願わずにはいられません。

青信号は「進んでもよい」?
否、進め、いざ!
 

20220605

田舎暮らし

芋だの玉葱だのを掘れ、庭木を剪定しろ。などと帰省を好機と母にあれこれ使われる。

早速妻にも託されたキウイフルーツの剪定と摘果に取り掛かる。
青々と生い茂る葉に隠れた下草も、負けずに繁茂していて、その草を刈り払い刈り払い集める。
ゆっくりと見定めて樹形を整えながら枝を打ち、新芽を摘む。
枝と新芽を集めると、こんもりと山ができた。
その山の上に広がる小ざっぱりした様子に満足し、今年どれほど甘い実をつけてくれるだろうか。そこは余り気にならない。
祖父と祖母が私に、と植えたらしいその樹。。

日が沈めば後は飲むだけ。
程なく酩酊し、早々に寝床に潜り込み蛙の鳴き声に包まれる。

翌朝、平日とは違いすこぶる目覚めがよくて、日はまだ低い。
カメラをもってぶらり庭に出ると、露に湿った土手の草が輝いて見えた。









20220206

2022年1月の記録

晴れ着の女性を見かけると子どもらも長女は後x年、次女は後y年で、と考えます。
と同時に、義父に見てもらいたかった、という思いがよぎります。
今月は義父の一周忌でした。


年末に彦根では記録的な大雪が降りました。一方、県南部は寒さこそ強いものの、積雪はそうはありません。しかし寒さは厳しく、長女の足はしもやけだらけです。

今年は、例年以上に春の訪れが望ましい厳冬です。

 

20211106

峠の麓

 金曜晩の仕事の充足感を帰宅前に受信した幾つかのメールで打ち砕かれ、トリスをあおってふて寝でもしようかと寝支度を整えていると、FBでチームメイトが早朝雲海を見に行くライドのポストをしているのが目に留まる。あぁ、今年もその時期か。集合時間と場所からして、往復同行は難しい、なら峠の麓で合流して峠だけご一緒させてもらおうか、などと考える。そのポストに「峠の麓(車番)があれば私です。」などとどうとでも取れるレスをつけて出発の準備を整える。寝坊を防ぐため深夜に自宅を出発、未明から早朝にかけておにゅう峠の麓(滋賀側)で一晩明かす計画。

 少しでも睡眠時間を確保しようと、とりあえずコーヒーをサーモスのボトルに入れ、シュラフにカメラ、足りない準備はコンビニで調達しよう、とグラベルバイクを車に積んで出発。峠までの道中最後のコンビニで、マスク着用を促され、マスクすら忘れたことに気づきま、いっか、と結局無補給で峠の麓に到着したのは日付が変わって1時少し前。


 木立が途切れた道路脇の空き地は、疎らに灯るLEDが電柱の陰になり、無住かどうかわからない家屋との位置も程よく、具合の良いポイントで、意外に早く泊地を見つけられたと安堵し、エンジンを止めると耳鳴りがする静けさと墨を垂らしたような車窓を覆う闇。

 集合場所と時間から計算して3時間ほどは寝られるかなと思いながら、道中の外気温の表示にはそぐわないウェアのこと、登って降りてその後の帰宅に要する時間を考慮したら雲海を見られないことがことさら意識され、落ち合えたらコーヒーを飲んでもらって即帰宅だな、とシュラフに潜り込み、いい体勢を探ってもぞもぞしていると瞼が重くなってくる。

 霧が立ち込め、下がり始めた車内の温度をシュラフ越しに感じ、ウェアのセレクトは全然だめだったことを痛感する。少し体勢を動かすと霧の向こうから外灯がぼんやりと目を差し、トワイライトゾーンを連想する。

と、気配というか闇への恐怖の具現化というか、何かを感じたような気がして、夢か現かわかないまま口が動き、「ぼぼぼ」だか「うごご」だか声にならないような声を発したような気がする。何かは黒っぽく感じて、それは瞼だったかもしれないし何か野生の動物だったかもしれない。

 明確に夢の中のことと記憶しているのはこれ以降のことで、その傍にあった無住の家屋に闖入し、猿や猪、鹿や熊の気味の悪い木彫りの像に驚かされる。

 慣れない姿勢に眠りが浅く夢から覚めたことを自覚して時計に目をやると2時半過ぎ、1時間ほど眠ったのかと車外の様子を伺うと、眠る前に感じた何かがどこか霧消したように思う。それまでなんとなく潜めていていた息を大きく吸い込み吐き出し、その後5時前まで眠った。

 5時過ぎ、まだ真っ暗な来た道を引き返し始めると件のチームメイトに遭遇、コーヒーを一杯飲んでもらい、同行できない理由を伝えて帰宅したわけでした。

20210926

Camp Touring 2021(前編)

         

これまで10年近くにわたり和歌山、金沢、焼津、尾道、諏訪、高松、伊勢、生野と続けてきたソロでのOne way ticket ride(往路はライド、復路は輪行)は、長女の中学校進学や自身の職場異動に伴い継続が困難になり、加えてこのところのコロナ感染症の拡大による緊急事態宣言の発出で、いよいよ実現可能性が乏しくなってきていたが、却ってコロナのおかげで長女の部活動が停止され、妻子の帰省と相成り、ひょっこりその機会が降ってきたわけです。

ただ、緊急事態宣言が発出されていることを考えると、これまでのようにふらっと行った先で「素泊まり一人!」とやるのは難しい。

そこで(残念ではあるが)人との接触を最低限にできるキャンプツーリングという訳です。コロナ前に買いそろえていたシュラフにエアマット、ソロテントが役に立つ!

ベランダや地元琵琶湖畔では使ったことがあったものの、本格的なキャンツーはファーストエクスペリエンスで、そわそわして過ごした一週間。ちょうどmacchicyclesさんでペイントをお願いしていたキャリアも仕上がり、まさにうってつけのタイミング。Ortliebのトランクバッグが欠品と、思い通りにいかないところもありましたが、BIKEZAC 2.0を代替品に選定し、準備を整えました。

今回の旅装、キャリアにつけた水色のパニアバッグがBIKEZAC

 そのくせ当日になっても決めあぐね、妻子の帰省を見送った時点でも、
1.熊川宿から小浜を巡る鯖街道+舞鶴コース。
2.最終便に間に合うか?鳥羽からフェリーで渥美半島に渡って東海道を戻るコース。
3.中山道をゆく醒井宿ってヴォーリズ建築あったよね、まぁ旧街道行けば何かと見どころあるはずコース。
4.東海道経由で浜名湖、その辺に宿場町あったよね?確か、コース。
5.とにかく行きたい徳山ダムコース。
の5つが自民党総裁選並みに乱立。とは言え逡巡していてもしょうがない、ままよ、と出立。

取り敢えず応用の利く湖西を北上。なんとなくびわ湖大橋を渡り、東詰ローソンで休憩中のローディ達を脇目に、もう1はないかな、と中山道武佐宿に進路を取る。

でもまだ2.3.4.5.どれも選べる。

武佐宿の御代参街道の道標を過ぎて、3.5.のルートに絞られた段階で、坂を登りたくない、山中泊は避けたい。で3.に決定。教林坊の門前集落を敢えて通り、五箇荘を通過するころにはワンボトルで来たことを後悔しつつ一回目の補給。

愛知川のにらみ燈篭や外灯の意匠、また豊郷町役場の取り壊し、無賃橋を収め、旭森小学校裏のコンビニで昼の小休止。やっぱりワンボトルが後悔の種。

愛知川南岸のにらみ燈篭の片側、笠の意匠は見慣れない形状

高宮宿無賃橋

道筋で彼岸花が咲き誇る小野小町ゆかりの小野町、鳥居本と進み、摺針峠へ。

事前に中山道と新道と分岐を確認していたが、手入れのなされていない様子に新道を選ぶ。 

峠からの眺望は中山道随一と謳われたらしいが、望湖堂は焼失して久しいし、松原内湖は等の昔に埋め立てられ、極めつけはFUJITECのエレベーター試験塔が聳え立ち、もはや応じの面影はない。かつての名勝は一瞥に留め、下りの勢いで番場宿を抜ければ目的地の一つ醒井宿。国道は何度か往復したことがあったものの、旧道沿いの街並みは未踏の地。

醒井宿では、日本武尊伝説の清流の梅花藻や目につく建物を愛で、


移築された醒井尋常高等小学校の玄関

醒井公会堂、昭和初期の建築

宿願だったヴォーリズ建築の旧郵便局舎を訪れました。


同所では、市から委託を受けて管理運営する地元のオジサンを、200円の入館料(2階のみ)に樋口一葉を出して困らせつつ、今夜の泊地を思案しながら、醒井宿を後にしました。

(続く。。。かどうかはわからない。え、前編てタイトルつけているのに?)

20210307

2021年の抱負

ここ数年実現できていなかった年初の抱負を、今年はそもそも決められていないことに思い至ったのは、3月も一週を過ぎた今日のこと。今後数年かけて滋賀県の県境を踏破してみようかな、などと考えていたことを思い出した。

新年早々の入院から三週間ももたずに他界した義父の忌が明けて、風呂場でひとり白髪と皺の増えた自分の顔を見つつ、義父の今時には短すぎる一生がどうであったのか、などと考えながらのこと。

一番に家族のことを思い、行動の規範は、一に家族、二に家族、三四も家族で、五に家族。

僕の妻やその弟らを、そして孫である長女、次女、そして長男、守り抱き、育てあげた義父のその大きな手を、僕は亡くなる前に一度だけ握り約束した。既に意識はなく、自身で閉じられないためにテープで瞼を塞がれた義父に、あなたのように子どもらを立派に育てあげます。と。


合掌。

20201231

一年の終わりに(泣きの一回)

そこそこ写真を撮ったけど、ポストする機会がなかったので。

皇子山公園の桜。

次女長男と堂山に登るつもりが時間切れで引き返しました。比良山に雪が残っています。

早朝の琵琶湖畔、まったく朝起きられないようになりました。

新緑に包まれる琵琶湖疎水

和田神社の風鈴祭り

何も言えない

緑に黄に紅は自然のラスタカラーって誰かが言ってた。

長安寺の大銀杏。

霊仙山から臨む伊吹山。

雪をまとった獅子柚子

来年はもう少しポストも、自転車も取り戻したいと思います。

いちねんの終わりに

道の先に朝陽のあたる様子、今年の私の境遇を暗示するようであったと、今思い返します。 この山を乗り越えれば、と汗ばむ初夏を今年も駆けずり回った。 片や村には祭が戻りました。 皆の新年に幸多からんことを、切に願わずにはいられません。 青信号は「進んでもよい」? 否、進め、いざ!