堪らなく喉が乾く。
脚が重い。
脚が重い。
後続の影に脅かされ、コーナリングの度に、また、僕とすぐ後ろの誰かへ送られた声援で距離を測る。
ハンドルが前へ垂れ下がり、普段より強い前傾姿勢を強いられたせいか腰が痛む。
ますます脚が重く感じ、4番手だか5番手だか分からない前走者とのギャップに絶望する。
「まだあれより前がいる。」
ハスられて落車したり、ハンドルの歪みも言い訳にならない。
底の見えない深い溝か、雲に隠れる壁とでも例えられるような大きな隔たりがそこにあった。
ゴールラインを割った後に仰ぎ見た空に、「今回こそは」の意気込みが虚ろにリフレインした。
キャンバーや急坂を乗りこなす技術より、なだらかだけど確実に脚が削られる、その芝のフィールドを駆け抜ける脚力不足を痛感した。
ゴール後、心肺にはまだ余裕があったにもかかわらずクランクを回せなかったことから、推測される解だ。
リザルト:6/23